朝のテレビで千葉県内の某市立病院が9月で閉院になるという話題を取り上げていた。まあ全国的にはもういくらでもある話なのだが、地元の人たちにとってはかなりショックだろう。
市の言い分は「このままでは市の財政が破綻する。市の財政再建を優先させ、しかる後に病院を何とかしたい」というものだが、閉院まで僅か3ヶ月というあたりが大いに問題だし、職員も寝耳に水というあたりに「事務方主導、現場軽視」という雰囲気を感じたのは私だけではあるまい。
やはり35人いた医師がなぜ16人に減ってしまったのか、なぜこんな短期間に閉院という強硬策を通そうとするのか、という所に、この問題の核心がありそうだ。
早速検索してみると色々出て来る訳で、結局はいずこも同じ「自治体側のKY」という事の様だ。
その後番組では医師誘致の為に、家庭菜園と馬一頭(岩手県)だの、格安のウニご飯と豪華休憩室(青森県)といった話題をやっていたが、こんな事したって医者が来る訳無いし、それに釣られて来る医者が使い物になるとは思えない。
そんな中あるコメンテーターが発した「日本は医師数=免許所持者数としているが、週20時間以上勤務している医師数でカウントしないと意味が無い」という発言は非常に説得力があり、肯けるものだった。
そう何度も書いてきた様に一番の問題は「普通の事を普通に出来る」医者が枯渇しつつあるという所なのだ。平均的な診療水準の維持、オンオフの切り換えが守られた適切な待遇、研修や学会参加などスキル維持~アップのサポート、そうした条件が満たされれば、ポストはむしろ競争になると思うのだが。
いずれにせよこの病院、まず職員をどうするのか(解雇できるのか?解雇した場合退職金をどこから出すのか?)という所をクリアしないと、さらに傷口を拡げる事だろう。そして公設公営にこだわって一度民営化の機会を逸しているのもかなり痛い。
骨を埋める覚悟で勤務していた国立療養所が5年前に閉院となり、その後魂の置き場所を求めて彷徨い続けている私には、この手の話は決して他人事では無いのだ。