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2008/06/28

モグラ叩き型医療からの脱却?

 来月研究会で発表する為、ここ数日必死に準備している。約1年半くらいの間に認知症疑いで受診された400名程の患者さんを300名に絞り、年令、性別、主訴、HDS-R、周辺症状の有無、形態画像、VSRAD、既往歴、合併症など様々なものを調べ、SPECTを施行できたcaseではその所見も加味して、現場における認知症診療の実態を伝えようという試みだ。

 まだきちんとした結果は出ていないが、現在の印象では、高血圧症や何らかの脳循環不全、そして連日のアルコール摂取などが悪さをしている可能性が高い。

 従来の医療はどちらかというと「症状が出たらそれを叩く」というものだったが、この結果を見る限り、脳に関していえば、既に文献等で報告されている通り、「40代までののライフスタイル」+「遺伝的要素」が50代以降に反映する様だ。

 こうなってくると問題が出てからでは追いつかない。脳卒中の予防=高血圧や耐糖能異常への早期介入といわれる時代、認知症予防もその上流にある「脳循環不全」を改善する事だとすれば、脳卒中の予防=認知症予防(ついでに心血管系疾患も予防)という事になり、一石二鳥と言えるだろう。

 医療経済の見地から言っても、予防>>早期治療>重症化後治療は明らかだから、今後は限られたリソースの投入法を見直した方がよいかもしれない。

 テレビではよく「神の手」名医が紹介されるが、「神の手」名医が連日フル稼働するのはやはりおかしい。勿論ハイリスク治療の担い手が少ないのは確かだろうが、重症例の中には早期発見+治療が可能なケースも含まれているのではなかろうか。

 いずれにせよ大切なのは「適度な健康への自覚」(過度な健康願望は逆に有害)、そしてそれに基づいた「リスク因子の除去」だろう。

 今は連日の様に2台のMRI(ほぼフル装備の3Tと汎用1T)、SPECT装置などを用いて認知症診療を積極的に行っているが、いずれは自分も「地域に根ざした脳疾患の予防」という方向に軸足を移して行きたいと思う。

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