NHKの底力?
何かと問題も多いNHKだが、5/26日22時以降のプログラムはなかなか良かった。
まず「プロフェッショナル・仕事の流儀」、今回紹介されたのは材料工学の研究者細野秀男(東工大教授)とそのグループ。高専在籍中に、科学者の立場から公害問題に取り組んでいた宇井純に憧れ、フィールドワークを手伝う様になった細野氏、宇井氏に「公害問題を研究したい」と訴えるが、宇井氏は「公害は現代の問題、君は自分の分野を見つけて学問を究めなさい」と勧められ、高専を中退して都立大工学部に入学(当時は今の様な編入制度は無かったのだろう)、その後化学を専攻したが、なかなか芽が出なかったそうだ。
ある日燃焼させたセメントの色が変わる事に着目し、実験を繰り返しているうちに超伝導の研究が開花、今や画期的な新素材を次々と生み出す世界レベルの研究を主導している。
番組では修士を終えたばかりの若い研究者に新しい研究を担当させる様子が流れたが、、彼は飄々としながらも、通常文献を引く所を自分の実験で確認するなど硬派な研究者の片鱗を見せ、結果が出そうな所まで漕ぎつけたのには驚いた。
また結果の検討が甘かった為に、誤った論文を世に出してしまった時のエピソードや、「ありふれた物質で新しい素材を作る事が公害を作らない」という信念など、実に興味深い構成で、あっという間に50分が経ってしまった(ただ理系出身の茂木健一郎の突っ込みが甘く、結構イラっとした)。
その後短く流れた「あの人に会いたい」では、私も結構好きだった故中島らもが紹介されたが、年々飲酒と薬物中毒でやつれていく彼の姿に改めて胸を打たれた。
そして23時からは「爆笑問題のニッポンの教養」、飢餓を無くすことで世界平和を実現しようとする「農学のラストサムライ」独立行政法人農研機構・作物研究所所長 岩永勝氏が実に興味深い話を聞かせてくれた。
海外での研究生活が長い氏によれば、世界の争いの多くは食料の争いによって起きる訳で、年間1900万トンもの食品廃棄物を出している日本は異常な国、既に危機的状況に陥っていると警鐘を鳴らす。
勿論全てが素晴らしかった訳ではないが、地上波のこの時間帯でこれだけのクオリティを持った番組を出せるNHK、やはり凄いなあ。
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